昔話に説教、趣味の講釈、病気自慢。そうかと思えば、無気力、そしてクレーマー。\r\n 老害をまき散らす老人たちと、それにうんざりして「頼むからどこかへ行ってくれ」とさえ思う若年層。でも、口には出せない。\r\n 老害側にいくら言い分があろうと、若年層はストレスをためるばかりだ。\r\n それなのに「終活」は早いうちから考え始めた方がよいと世間は煽る。\r\n 若年層のはずの５０代、いや６０に手が届く子供世代は得体のしれない焦りを感じている。\r\n その子供たちも複雑な事情や心情を抱える。\r\n 一方の老害側も感じている。老人を婉曲に別枠に入れる世間の風を。\r\n そして、人生百年と言われても、一体どう生きたらいいのか…と。\r\n 埼玉県川越の近くの街に住む一家を中心に、会社を娘の夫に譲った筈の戸山福太郎と、近所の老人５名＝老害五重奏がコロナ禍に巻き起こす騒動と、家族たちの群像活劇。\r\n 双方の本音がぶつかった...
